平成27年度海外メディア芸術クリエイターの招へい事業
<アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2016> 募集要項

1. 趣旨

本事業は、日本の文化庁が主催をする「海外メディア芸術クリエイターの招へい事業」として、世界から若手の優秀なアニメーションのクリエイターを東京に招へいし、日本のアニメーション文化に触れながら、作品を制作する機会を提供するアーティスト・イン・レジデンス・プロジェクトである。優れた作品の成果を促すとともに、メディア芸術における国際交流の推進を図ることを目的とする。

アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2016(A-AIR2016)の公募は、9月10日をもちまして締め切りました。招へい者の発表は11月中旬を予定しています。みなさまのご応募ありがとうございました。みなさまの今後のアニメーションを応援しています。

2. 対象分野

アニメーション制作

3. 募集人員

3名

4. 招へい期間

2016年1月7日から3月17日までの70日間

5. 支援内容

  1. 渡航費:有
  2. 滞在費:有
  3. 海外旅行保険:有
  4. 住居貸与:有 *制作スペースも兼ねる
  5. 滞在所在地:東京都内
  6. 専門的な人的サポート:有
  7. 成果発表の機会の提供:有
  8. 日本のクリエイターとの交流の場:有

6. プログラム概略

  1. 研修:定期的に滞在制作の経過発表を行い、日本の実績あるアニメーション作家、専門家による指導を定期的に受ける。
  2. 見学・交流:アニメーション・スタジオの見学や、映像作家や映像教育機関の学生たちとの交流を行う。
  3. 制作:滞在中に作品の制作を行い、滞在終了時に、完成作品、あるいは制作過程にある作品の一部の成果発表を行う。

7. 応募資格

  1. 日本以外に居住し、日本以外の国籍を有する者であること。
  2. 自国以外の作品も上映する国際性を持つ映画祭、映像展等において、自作のアニメーション作品の出品実績が1回以上ある経験者であること。
  3. 応募締切日の2015年9月10日時点の年齢が、満20歳以上35歳以下であること。
  4. 日常会話程度以上の英語あるいは日本語が話せること。
  5. 健康状態が良好であること。
  6. ネット通信を利用した面談を受けるための環境(Skypeなど)を用意できること。

8. 応募期間

2015年7月1日から応募開始。9月10日までに応募用紙及び提出物一式が本事業事務局に届くこと。

9. 応募方法

こちらから応募要項フォルダ(ZIP)をダウンロード
A. 応募用紙
必要事項を入力する。<個人データ、代表作3作品、滞在制作企画概要など>
B. 提出物

  1. 本プロジェクトで制作を予定している作品(作品の長さは3分以上とする)に関する資料。*企画の詳細がわかる資料(脚本やストーリーボードなど)を提出することが望ましい。
  2. 自国以外の作品も上映する、国際性を持つ映画祭、映像展等への出品を証明するもの(映画祭カタログ等の作品掲載ページのコピーなど、国際性がわかるもの)。 *1点で可。複数の場合は3点以内。
  3. 年齢・国籍を証明するもの(パスポートのコピーなど)。

上記、A 応募用紙とB(1)~(3)の提出物を、添付ファイルでメール送信することにより、応募の完了とする。送信先:entry2016@japic.jp

*応募者が動画をインターネット上にアップロードできない環境にある場合は、DVD等ビデオグラムでの提出を認めるが、その際は必ず事前に事務局に連絡をすること。

10. 審査

専門家で構成された選定委員会による第一次審査、第二次審査(ネット通信を利用した面接)を経て、招へい者を内定する。招へい内定者には、11月中旬までに通知し、諸条件の確認をした上で、正式に決定する。

11. 応募・招へいに際しての遵守及び注意事項

応募に際しては、以下の事項を遵守することに同意しているものとする。

  1. 応募期間を経過した後は、原則として、応募取消はしない。やむ負えない事情が生じた場合は、速やかに連絡する。
  2. 招へいを受諾した後は、原則として、辞退することはしない。
  3. 制作に必要なPC及びカメラなどの機器は、原則として持参する。
  4. 滞在の目的を理解し、不測の事態を除き、招へい期間は全行程日本に滞在する。
  5. レクチャー、ワークショップ、学校訪問、スタジオ見学など本事業に関連するプログラムに積極的に参加する。
  6. 応募に際しては3分以上のアニメーション作品の企画を提出する。招へい者に選ばれた場合、日本滞在中に当該企画の制作を行い、滞在終了時に、本事業の成果として、完成作品、あるいは制作過程にある作品の一部の発表を行う。
  7. (6)で制作過程にある作品の一部発表にとどまった場合は、滞在期間終了後も本企画作品の制作を継続し、2016年12月末までに作品を完成し、完成作品のDVDコピーを1部提出する。
  8. 完成した作品には、本事業名 <平成27年度海外メディア芸術クリエイターの招へい事業>及び文化庁のロゴマークを必ず明記する。
  9. 応募時に提出した代表作の映像及び写真は、日本滞在中に実施される本プロジェクトの紹介イベントや広報の範囲に限り、本事業主催者が使用できることを許諾し無償で提供する。
  10. 招へい期間終了後も、本事業の広報を目的とした範囲に限り、印刷、展示、上映、放送等において、完成作品の写真及び1分未満の抜粋映像の使用を本事業主催者に許諾し無償で提供する。また、本事業主催者から要請がある時は、本事業の広報を目的とした範囲に限り、完成作品の全編上映を許諾し、その上映素材を無償で提供する。言語がある作品の場合は、本事業主催者による日本語字幕制作を許諾し、ダイアローグ・リストを併せて提供する。

12. よくある質問とその回答

  1. Q. 年齢制限に例外はありますか?
    A. ありません。すべての募集要項を満たす応募者でないと滞在を許可できません。
  2. Q. A-AIRプログラムではグループでの応募を受け付けていますか?
    A. 個人での応募のみの受付です。ひとつの応募につき招へい枠は1名です。ただし、招へいアーティストの作品が複数人で作られる場合、あるいは招へいアーティストが共同制作者及び主要スタッフとの制作作業を希望する場合、その共同制作者(主要スタッフ)が自費で来日し、当プログラムに参加するケースもあります。その場合は、必ず事前に事務局に相談し了承を得なければなりません。共同制作者(主要スタッフ)は作品クレジットに記載されることが前提です。
  3. Q. 共同制作者及び主要スタッフに対するプログラムの支援内容と応募資格はどういったものでしょうか?
    A. 滞在スペースは協力者と同居することが可能ですが、その他滞在にかかる費用、渡航費は自己負担になります。応募者が応募資格を満たしていれば、協力者に応募資格は適用されません。
  4. Q. 現在進行形で国際映画祭に作品を提出中です。
    A. 以下の点を満たしていれば、募集要項を満たすこととします。
    1.作品が2016年1月7日までに映画祭で上映される場合
    2.2015年9月10日までに、応募用紙に映画祭、映像展などへの出品を証明できるものを添付できる場合
  5. Q. 提出物に制作中の作品を含むことは可能ですか?
    A. 可能です。応募用紙B−(4)に作品情報、リンク等を記載し、出品映画祭の欄に「制作中」と記入してください。
  6. Q. パートナーに関する方針を教えてください。パートナーを連れてくることは可能でしょうか?与えられた住居にカップルで住むことは可能でしょうか?
    A. 招へいアーティストの創作に関連しない個人が宿泊すること、及びプログラムのイベント等に参加することは認められていません。貸与される住居は招へいアーティストのための創作場所であり、招へいアーティストが日常の世界を70日間離れ、作品を作りだすことが滞在の目的です。
  7. Q. 監督ではなく、動画、背景などの制作スタッフとして関わった作品は代表作として認められますか?
    A. 監督作品に限ります。
  8. Q. A-AIRプログラムで制作した作品を上映したり放送したりする場合は許可が必要でしょうか?
    A. 完成作品の著作権は作者もしくはその作品で定めた著作権者に帰属します。自由に作品を上映して下さい。多くの人に見てもらえることを期待します。

13. 問い合わせ先

一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル内
アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2016事務局
150-0002東京都渋谷区渋谷2-10-2
Tel: +81-(0)3-6670-5676 Fax: +81-(0)3-5466-0054
Website: http://japic.jp
Email: aair@japic.jp

主催:文化庁
事務局:一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル(JAPIC)


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「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2015」プログラム終了報告

平成26年度海外メディア芸術のクリエイター招へい事業「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2015」で、平成27年1月7日に来日したアレックス・グリッグ(オーストラリア)、アンナ・ブダノヴァ(ロシア)、ナタリア・チェルヌショーヴァ(ロシア)の三名の招へいアーティストは、70日間の滞在を終え、3月17日に帰国しました。東京滞在中は、それぞれの作品の制作を行ないつつ、予定されたさまざまな研修プログラムや交流プログラムを精力的にこなしました。研修プログラムとしては、指導監督者に講評を受ける研修会(3回)、アニメーション作家アトリエ訪問(1回)、制作プロダクション見学(1回)が行なわれました。また、交流プログラムとしては、文化庁メディア芸術祭や恵比寿映像祭内覧会などへの参加(2回)、教育機関での学生との交流(2回)、神戸、京都における上映&企画プレゼンテーション(各1回)と成果発表会が組まれ、自作の上映や滞在制作作品の紹介を行ないながら、多くの日本人アニメーション作家や映像作家、映像関係者との交流および親睦を深めました。制作中のそれぞれの作品(アレックス・グリッグ『Into the Heart of the Sun』、アンナ・ブダノヴァ『Among Black Waves』、 ナタリア・チェルヌショーヴァ『Cobweb』)は、各招へいアーティストが帰国後に完成を目指します。なお、指導監督は、木船園子氏(東京工芸大学芸術学部アニメーション学科教授、アニメーション作家)、古川タク氏(アニメーション作家、イラストレーター、日本アニメーション協会会長)、山村浩二氏(東京藝術大学大学院教授、アニメーション作家) が担当しました。以下にその経過をご報告します。

「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2015」 招へい者3名>>


1月10日(土)
第1回研修会
指導監督(木船園子氏、古川タク氏、山村浩二氏)及び佐伯知紀文化庁主任芸術文化調査官と招へいアーティスト3名の初会合


1月16日(金) 場所:文化庁
青柳正䂓文化庁長官を訪問
青柳正䂓文化庁長官を訪問し、挨拶。長官はコンピューターを使ったアニメーションの制作方法や制作日数、東京滞在で手がける作品のテーマ、タイトルの意味などを次々と問いかけ、「東京滞在を存分に楽しんで、いろいろな日本の文化に触れて下さい。その成果を楽しみにしています」と励ました。


1月17日(土)
ヤマムラ・アニメーション訪問
山村浩二氏(東京藝術大学大学院教授/アニメーション作家)のアトリエを訪問。山村氏の過去作品の原画やイラストレーション作品を通して、素材、作画方法についての解説を受けたほか、実例を参照しながらアニメーション制作ソフトをどのように活用して画面を構成しているかについて詳細なレクチャーを受けた。


1月18日(日) 場所:東京藝術大学万国橋校舎
東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻訪問
東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻の学生約15名に対して、招へいクリエイターの過去作品の上映、企画プレゼンテーション、質疑応答などを行なった。さらに、大学院生の1年次作品および修了作品試写を鑑賞、意見交換をした。招へいクリエイターは学生の作品から制作中の作品のアイデアを得た。


1月22日(木) 場所:東京工芸大学中野キャンパス
東京工芸大学アニメーション学科訪問
東京工芸大学アニメーション学科の学生および教員約10名に対して、招へいクリエイターの過去作品を上映、企画プレゼンテーション、質疑応答を行った。過去作品のストーリーをどのように作り上げていったかなど、具体的な質問が多く寄せられた。終了後は会場となった「マイブリッジ・シアター」の11.1ch立体音響を体験。学生が利用する制作スタジオや音響スタジオを見学した。


2月2日(月)
第2回研修会
アーティスト3名がスケッチやテスト動画などを使って、企画の進行状況をプレゼンテーションした。具体的な素材が提示されたことで、指導監督との間により活発な質問やアドバイスが交わされた。


2月3日(火)場所:国立新美術館
第18回文化庁メディア芸術祭内覧会、贈呈式、祝賀会に参加
文化庁メディア芸術祭の内覧会で作品を鑑賞した。その後の贈呈式、祝賀会に参加。招へいクリエイターのアンナ・ブダノヴァ氏は本事業で選考対象となった作品『ザ・ウーンド』がアニメーション部門大賞を受賞した。祝賀会では、国内外のアニメーション作家や映画祭プログラマーと挨拶及び意見を交わし、日本において多くの知人を得る機会となった。


2月18日(水)
株式会社ロボット訪問
自社でアニメーション作家を抱え、商業アニメーションだけでなく、アート・アニメーションも制作し続ける株式会社ロボットのオフィスを訪問。様々な制作セクションや、アニメーション作家稲葉卓也氏の仕事現場を具体的な説明を受けながら見学した他、バラエティに富んだこれまでの作品ショーリールを鑑賞。アニメーション作家野村辰寿氏、松本絵美プロデューサーら株式会社ロボットの方々と様々な意見交換が行なわれた。


2月20日(金)19:00〜22:30 場所:神戸アートビレッジセンター
世界のインディペンデント・アニメーション2015(神戸)
招へいクリエイターの選考対象となった近年の制作作品を上映し、制作過程にある滞在制作作品のプレゼンテーションを行ったほか、「インディペンデント・アニメーション・フロム・アジア」と題したアジアの新進アニメーション作家6名の作品上映、招へい者の自国アニメーション事情のレクチャーも行なった。終了後には、関係者や来場者との交流も行われ、熱心な意見交換があった。


2月21日(土)17:15〜20:45 場所:京都芸術センター
世界のインディペンデント・アニメーション2015(京都)
前日の神戸会場と同様のプログラムを実施した。その後の交流会で参加者との意見交換を行なった。


2月26日(木)場所:恵比寿ガーデンホール
第7回恵比寿映像祭内覧会、レセプション参加
展示作品を鑑賞し、オープニング・レセプションに参加。国内外から集まった映像作家、現代美術作家や、日本の映像関係者、キュレーターらと交流した。


3月4日(水)
第3回研修会
アーティスト3名は最終的な完成計画を説明、指導監督者からアドバイスを受けるとともに、成果発表会に向けたプレゼンテーションの準備も行なった。


3月14日(土)15:00〜20:10 会場:青山学院アスタジオ
成果発表会
本事業の経過報告と滞在期間における成果発表を行う目的で「世界のインディペンデント・アニメーション2015」と題して成果発表会を開催した。神戸、京都での上映&企画プレゼンテーションの内容に加え、招へいクリエイター3名がそれぞれ滞在中に制作した映像を上映し解説を行い、最後に指導監督者3名が招へいアーティストの指導にあたった感想を交えながら本年度の本事業を総括した。指導監督者の総評後は、別室で交流会を実施し、招へいクリエイターは参加者と意見交換を積極的に行なった。


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世界のインディペンデント・アニメーション2015(東京)

世界のインディペンデント・アニメーション2015(東京)平成26年度海外メディア芸術クリエイター招へい事業」(文化庁委託事業) アニメーション・アーティスト・イン・ レジデンス 東京 2015 成果発表&上映!

世界を舞台に活躍する若手アニメーション作家の創造性に触れる!

第18回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞受賞のアンナ・ブダノヴァを含む
文化庁招へいの新進気鋭のアニメーション作家によるトークと上映に加え、
注目すべきアジア圏6作家の特集上映!

平成22年度から始まった「海外メディア芸術クリエイター招へい事業」の本年度の成果を発表するとともに、招へい作家の代表作、および近年各国の映画祭でその存在感を増しつつあるアジアの注目すべき6作家の特集プログラムを組み、3部構成で世界のインディペンデント・アニメーションの最新動向を上映とトークによって紹介します。第4部では招へい作家を囲み、観客のみなさんとの交流会を予定しています。世界のトップレベルの若い才能に出逢うチャンスにぜひご参加ください。

「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京」(A-AIR)とは?
本プロジェクトは、文化庁委託事業「海外メディア芸術クリエイター招へい事業」として、世界から若手の優秀なアニメーション・クリエイターを東京に招へいし、日本のアニメーション文化に触れながら、作品を制作する機会を提供するアーティスト・イン・レジデンス・プロジェクトです。優れた作品の成果を促すとともに、日本のアニメーション作家との交流機会も提供し、メディア芸術における国際交流の推進を図ることを目的として、平成22年度から毎年実施しています。本年度は世界61カ国から250件の応募があり、オーストラリアから1名、ロシアから2名が選ばれました。

2015年3月14日(土) 開場14:30 / 開会15:00

【第1部】15:00〜16:30 A-AIR2015及び招へい者の紹介
【第2部】16:40〜17:45 アジアの最新動向「インディペンデント・アニメーション・フロム・アジア」
【第3部】17:50〜19:05 成果発表及び総評
【第4部】19:10〜20:10 交流会


【第1部】15:00〜16:30 A-AIR2015及び招へい者の紹介

◎海外メディア芸術クリエイター招へい事業「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京 2015」について
佐伯知紀(文化庁主任芸術文化調査官)

◎A-AIR2015招へい者の代表作上映&自作解説
『ファントム・リム』 アレックス・グリッグ(オーストラリア, 2013, 5分)
交通事故の後遺症、幻肢痛(ファントム・リム)を克服しようとする若いカップル。ふたりの心情をシンプルで明るい配色のデザイン、ミニマムな構成で伝える。
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『ザ・ウーンド』 アンナ・ブダノヴァ(ロシア, 2013, 10分)
少女の心の傷が生み出した毛むくじゃらの生き物は、少女の良き友人となるが、次第に彼女の人生を支配するようになる。作者の幼い頃の記憶を元に作られた美しい悪夢。
» trailer

『フレンズ』 ナタリア・チェルヌショーヴァ(ロシア, 2014, 5分)
大親友の毛虫とおたまじゃくし。蛙になったおたまじゃくしは、毛虫を探すが見つからない。蝶になっていた毛虫が必死に自分をアピールしているのだが、蛙は全く気づかない。
» trailer

◎A-AIR2015招へい者の自国アニメーション事情
「インディ・アニメーション共同体〜レイト・ナイト・ワーク・クラブとは?」アレックス・グリッグ
「ノルシュテインとその生徒たち〜ウラル・アニメーションについて」アンナ・ブダノヴァ、ナタリア・チェルヌショーヴァ


【第2部】16:40〜17:45 アジアの最新動向
「インディペンデント・アニメーション・フロム・アジア」

注目すべきアジア圏6人のアニメーション作家が描く望郷と追憶の世界。
プログラム協力:土居伸彰(アニメーション研究)

『パッシング』 イ・ソンジュン (韓国, 2009, 10分)
徴兵を経て、異国で募る祖国への郷愁を影絵で表現。アニメーテッド・ドリームス映画祭で上映 (2009)。日本初上映。

『ウルフ・イン・ザ・ツリー』 ジャー・シン・リン(中国, 2012, 10分)
森の中での赤頭巾と狼との秘密。少女は狼を誘惑したいのだが、狼はあまり関心がない。アヌシー国際アニメーション映画祭で上映 (2013)。

『ローズ』 ナウルズ・パグィドポン(フィリピン, 2008, 5分)
上海在住の作曲家、ポール・メレディスの曲に小さなアニメーションを加えた。香港で働くフィリピン人出稼ぎ労働者の儚い夢。日本初上映。

『ザ・プレゼント』 ジョー・シェ (台湾, 2013, 15分)
夜中、男がホテルにチェックイン。気づくと、オーナーの娘に唐突に思いを寄せられていた。ショックで怖くなった男は、早朝に逃げるようにチェックアウト。残された娘は愛情を憎悪に変えた。ファントーシュ国際アニメーション映画祭で上映 (2013)。

『HORSE』 シェン・ジエ(中国, 2013, 5分)
エドワード・マイブリッジやエティエンヌ=ジュール・マレーもモチーフにした「瞬間」と「動き」を表象する馬を5つの断章で描く。オタワ国際アニメーション映画祭で上映 (2014)。日本初上映。

『É in Motion No.2』 榊原澄人 (日本, 2013, 12分)
どこかブリューゲルを連想する横スクロールの情景は、作家の原風景である十勝平野だそうだ。男の一生が風景の中で展開し、閉じてゆく。新千歳空港国際アニメーション映画祭で上映 (2014)。


【第3部】17:50〜19:05 成果発表及び総評

招へい者たちの東京滞在中の研修を担当した日本のアニメーション作家3名を交え、招へい者が東京で何を発見し、どのように新作に活かしているか、豊富な映像資料を使って報告します。アニメーション制作の過程を知る希有な機会です。

●アレックス・グリッグ 『In My Bones』(私の骨の中/仮題)
●アンナ・ブダノヴァ 『Among Black Waves』(黒い波の中で/仮題)
●ナタリア・チェルヌショーヴァ 『Cobweb』(クモの巣/仮題)
●古川タク(日本アニメーション協会会長、アニメーション作家)
●木船園子(東京工芸大学教授、アニメーション作家)
●山村浩二(東京藝術大学大学院教授、アニメーション作家)


【第4部】19:10〜20:10 交流会


招へい者プロフィール

アレックス・グリッグ Alex GRIGG (男性/オーストラリア/27歳)
1987年生まれ。2008年グリフィス大学クイーンズランド・カレッジ・オブ・アート卒業。オーストラリアとヨーロッパの様々なスタジオでアニメーターおよびデザイナーとしての経験を重ね、2013年にインディペンデント・アニメーション作家の共同組織「Late Night Work Club」に参加する。そこで制作した『Phantom Limb(幻肢)』が2014年カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル ヤング・ディレクター賞、第15回(2014年)広島国際アニメーションフェスティバル国際審査員特別賞などを受賞。
作家ウェブサイト http://www.alexgrigg.com


アンナ・ブダノヴァ Anna BUDANOVA (女性/ロシア/26歳)
1988年生まれ。2011年ウラル州立大学美術・建築アカデミー卒業。在学中より美術あるいはアニメーターとして様々な映画の製作に携わる。デビュー作の『The Wound(ザ・ウーンド/傷)』が2013年アヌシー国際アニメーション映画祭審査員特別賞、第15回(2014年)広島国際アニメーションフェスティバル優秀賞、第18回(2014年度)文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞など多数受賞。


ナタリア・チェルヌショーヴァ Natalia CHERNYSHEVA(女性/ロシア/30歳)
1984年生まれ。ウラル州立大学美術・建築アカデミーでグラフィックとアニメーションを学ぶ。いくつかのアニメーション映画にアニメーター等で関わり、デビュー作の『Snowflake(スノー・フレーク/雪のかけら)』が2013年ソフィア国際アニメーション映画祭グランプリ、2013年シカゴ国際児童映画祭新進作家賞など、さまざまな国際映画祭で評価される。2012年よりフランスのラ・プードリエールで学び、卒業制作として『Friends(フレンズ/友達)』(2014)を制作。
作家ウェブサイト http://cher-nata.blogspot.fr



日時:2015年3月14日(土) 開場14:30/開会15:00
会場:青山学院アスタジオ

〒150-0001東京都渋谷区神宮前5-47-11
(東京メトロ銀座線・半蔵門線・千代田線表参道駅B2出口より徒歩5分/
http://aogaku-astudio.com/wordpress/access/

事前予約可・入場無料
参加希望者のお名前(人数分)、代表者のお電話番号をメールで rsv@japic.jp 宛にお知らせください。FAXでも受け付けています。
※予約なしの当日入場も可能ですが、予約いただければ確実にお席をご用意いたします。

☞ お問い合わせ
ジャパン・イメージ・カウンシル(JAPIC)
TEL: 03-6670-5676 / FAX: 03-5466-0054

〒150-0002 東京都渋谷区渋谷2-10-2
http://japic.jp/

主催:文化庁
共催:一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル(JAPIC)、青山学院大学総合文化政策学部