平成24年度海外メディア芸術クリエイター招へい事業 「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2012-2013」プログラム終了報告

「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2012-2013」で、平成25年1月上旬に来日したケイレブ・ウッド(アメリカ)、エッリ・ヴオリネン(フィンランド)、エマ・ドゥ・スワーフ(ベルギー)の三名の招へいアーティストは、70日間の滞在を終え、3月中旬に帰国しました。東京滞在中は、それぞれの作品の制作を行いつつ、予定されたさまざまな研修プログラムや交流プログラムを精力的にこなしました。研修プログラムとしては、指導監督者に講評を受ける研修会(3回)、アニメーション作家アトリエ訪問(1回)、制作プロダクション見学(2回)が行なわれました。また、交流プログラムとしては、文化庁メディア芸術祭や恵比寿映像祭内覧会などへの参加(3回)、教育機関での学生との交流(1回)、東京、神戸、京都における上映&企画プレゼンテーション(各1回)と成果発表会が組まれ、自作の上映や滞在制作作品の紹介を行ないながら、多くの日本人アニメーション作家や映像作家、映像関係者との交流および親睦を深めました。制作中のそれぞれの作品(ケイレブ・ウッド『さようならウサギ、ホップホップ』、エッリ・ヴオリネン『Sukkavartaankatu 8』、 エマ・ドゥ・スワーフ『オットー』)は、各招へいアーティストが帰国後に完成を目指します。なお、指導監督は、岡本美津子氏(東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授)、 野村辰寿氏(多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科准教授/アニメーション作家)、古川タク氏(東京工芸大学芸術学部客員教授/アニメーション作家) が担当しました。以下にその経過をご報告します。

「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2012-2013」 招へい者3名 >>


写真記録

1月10日(木)
第1回研修会
指導監督 (岡本美津子氏、野村辰寿氏、古川タク氏) 及び佐伯知紀文化庁主任芸術文化調査官と招へいアーティスト3名の初会合


1月13日(日)14:00〜18:00 会場:青山学院アスタジオ
「世界のインディペンデント・アニメーション2013」
青山学院大学総合文化政策学部、合同会社CALFとの共催で、東京において招へいアーティスト3名を一般に紹介した。招へい者と過去作品の上映及び滞在制作の企画プレゼンテーションの後、日本の若手クリエイター3名(橋本新氏、ひらのりょう氏、水尻自子氏)の作品を上映し、インディペンデント・アニメーションの日本と海外の状況についてトークを行なった。


1月31日(木)
第2回研修会
アーティスト3名が企画の進行状況をプレゼンテーション。指導監督者より、質問・アドバイスなどを受けたほか、アーティスト同士も互いの作品について意見交換を行なった。


2月9日(土)16:30〜20:00 会場:神戸アートヴィレッジセンター
「世界のインディペンデント・アニメーション2013 in関西」 (神戸)
神戸アートビレッジセンターとの共催で、招へいアーティスト3名の作品上映及び企画プレゼンテーションを実施。その後の交流会で多くの参加者と意見交換を行なった。


2月10日(日)15:00〜18:30 会場:京都精華大学サテライトスペース<kara-S>
「世界のインディペンデント・アニメーション2013 in関西」 (京都)
京都精華大学芸術学部メディア造形学科映像コースとの共催で、招へいアーティスト3名の作品上映及び企画プレゼンテーションを実施。その後、参加者との交流会を行なった。


2月12日(火)
第16回文化庁メディア芸術祭内覧会、贈呈式、祝賀会に参加
招へいクリエイターのエマ・ドゥ・スワーフ氏と共作者マーク・ジェイムス・ロエルズ氏は本事業で選考対象となった作品『オー、ウィリー』がアニメーション部門新人賞を受賞した。


2月25日(月)
アニメーション・スタジオ I.TOON訪問
伊藤有壱氏から、代表作である『ニャッキ!』のクレイ人形や、最新作『ハーバーテイル』の撮影セットを見ながら、クレイ、クラフトアニメーションの技術について解説を受ける。


2月25日(月)
東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻訪問・学生交流
岡本美津子教授の協力によりアニメーション専攻の学生約20名に対して、招へいクリエイターの過去作品を上映、企画プレゼンテーション、質疑応答が行なわれた。さらに、参加学生の制作作品を鑑賞、意見交換をした。
3月7日には第4期生の修了制作展内覧会に参加。


3月4日(月)
山村浩二氏アトリエ訪問
アニメーション作家・山村浩二氏のアトリエを訪問。完成したばかりの最新作(NHK番組「古事記ガール 日向路を旅する」内のアニメーションパート)を鑑賞しつつ、山村氏の独自の制作スタイルと創作に対する考え方について話を聞いた。


3月5日(火)
第3回研修会
アーティスト3名は、企画進行状況および成果発表会へ向けて最終的な完成計画を説明、指導監督者からアドバイスを受けた。


3月7日(木)
〈ドワーフ〉スタジオを訪問
コマ撮りアニメーションを数多く手がける株式会社ティー・ワイ・オー〈ドワーフ〉の制作スタジオを訪問。ディレクター、キャラクター・デザインの合田経郎氏及びアニメーターの峰岸裕和氏に「どーもくん」のクリエイションを中心に、撮影中の背景セットや美術の道具なども見ながら、技術的な手法についても具体的に解説を受けた。

8日(金)には、ドワーフの新作披露試写会に参加し、新作やドワーフの過去作品の資料を見る他、参加していたアニメーション関係者と交流を深めた。


3月13日(水)16:00〜18:00 会場:青山学院アスタジオ
成果発表会
アニメーション関係者、文化関係者を招待し、青山学院アスタジオで開催。近藤誠一文化庁長官の主催者挨拶、池田裕之ジャパン・イメージ・カウンシル事務局長の事業説明と経過報告に続き、招へいクリエイター3名がそれぞれ滞在中に制作した映像を上映し、解説を行なった。また、指導監督者3名(岡本美津子氏、野村辰寿氏、古川タク氏)が招へいクリエイターの指導にあたった感想を交えながら本事業の成果や内容について語り合う鼎談を実施した。


「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2015」募集要項 >>
「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2014」プログラム終了報告 >>
「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2011-2012」プログラム終了報告 >>
「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2010-2011」プログラム終了報告 >>