平成27年度アジアにおける日本映画特集上映事業終了報告

2015年11月26日(木)に開幕した文化庁主催「新作満喫! 日本映画とアニメーション2015」(平成27年度アジアにおける日本映画特集上映事業)は12月1日(火)に6日間の会期を終え,閉幕しました。
東南アジア諸国連盟(ASEAN)の盟主であり,日本文化,日本語への関心度が非常に高いインドネシアで初めての開催となった本事業は,会場を首都ジャカルタの中心部に位置するシネコン,CGVブリッツ・グランド・インドネシアとし,開幕上映作品の『蜩ノ記』をはじめに日本映画,アニメーション作品の長短編30作品を13プログラムの構成で上映しました。週末の上映ではチケットが売り切れとなる回も多く,日本映画と日本のアニメーションに対する関心の高さが窺えました。
開幕式にはインドネシアを代表する国際的大女優クリスティン・ハキム氏や俳優としても知られるスラメット・ラハルジョ・ジャロット監督など,映画関係者も多数来場し,日本側ゲストと交歓しました。
日本から参加したゲストは小泉堯史氏(『蜩ノ記』監督),星野秀樹氏(『きみはいい子』プロデューサー),稲葉卓也氏(『ゴールデンタイム』監督),胡ゆぇんゆぇん氏(『夕化粧』監督),朱彦潼氏(『コップの中の子牛』監督),中田彩郁氏(『境界線』監督),姫田真武氏(『ようこそぼくです選』監督),松本絵美氏(『ゴールデンタイム』プロデューサー),水江未来氏(『Poker』監督),宮澤真理氏(『Decorations』監督)の10名で,舞台挨拶や質疑応答などを通じてジャカルタの観客と交流しました。ほかに作品検討委員の佐伯知紀氏(映画映像研究者),古川タク氏(日本アニメーション協会会長),渡辺祥子氏(映画評論家)が訪イし,観客に対して作品の見所などの解説を行ないました。
また,作品上映のほか,「アニメを超えて」と題したフォーラムをジャカルタにおける主要なアニメーション教育機関である「ハローモーション・アカデミー」の協力のもと,日本・インドネシアのアニメーション関係者によって実施しました。日本側は中田彩郁氏,松本絵美氏,水江未来氏が登壇し,日本の新しい表現方法やアニメーション作家の活動状況について話し,インドネシア側パネラーや観客からさまざまな質問を受けました。

開幕上映で観客の前に並んだ日本・インドネシアのゲスト。(11月26日)

開幕式で来賓を代表して挨拶するクリスティン・ハキム氏(11月26日)

開幕上映『蜩ノ記』での質疑応答の後,観客から握手を求められる小泉堯史監督。(11月26日)

『きみはいい子』星野秀樹プロデューサーの質疑応答。司会は入江良郎文化庁芸術文化調査官。(11月27日)

「短編アニメーションセレクション2〜ドラマ〜」の質疑応答。左から宮澤真理監督,胡ゆぇんゆぇん監督,朱彦潼監督,稲葉卓也監督。(11月28日)

「短編アニメーションセレクション1〜アバンギャルド〜」の質疑応答。右から司会の入江良郎文化庁芸術文化調査官,水江未来監督,中田彩郁監督,姫田真武監督。(11月28日)

フォーラム「アニメを超えて」登壇者。左からワフユー・アディティア氏(アニメーション作家/ハローモーション・アカデミー主宰),フィルマン・ウィスマラ氏(アニメーション作家),水江未来氏,中田彩郁氏,松本絵美氏。(11月29日)

『かぐや姫の物語』を上映するスクリーン3に入場する観客(11月27日)

観客と記念撮影する姫田真武氏(11月27日)