文化庁委託事業 平成24年度アジアにおける日本映画特集上映事業
「映画とアニメーションの万華鏡」開催のお知らせ 

2012年11月12日


一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル(JAPIC)は、文化庁の委託を受け、2012年11月29日から12月3日までの5日間、韓国の釜山で「映画とアニメーションの万華鏡」を開催いたします。この事業は、2004年より続く文化庁委託事業「アジアにおける日本映画特集上映事業」として実施され、韓国における日本文化への理解や親しみの深化を図るとともに、映画・アニメーションの分野における若手を中心とした人材交流、人材育成を目的とします。
通算9回目となる本年度は、昨年度に引き続き、釜山の「映画の殿堂」で開催します。長編11作品、短編36作品、合計47作品で構成し、新作を中心とした多彩なプログラムによって、日本の映画とアニメーションの現在を紹介します(実写作品8プログラム、アニメーション作品7プログラム)。
オープニング作品は、上海国際映画祭最優秀脚本賞受賞など海外の映画祭を席巻した本年の日本映画を代表する話題作『鍵泥棒のメソッド』。そして一般プログラムでは、韓国未公開の注目作、異色作をラインナップしています。本年は若手の新作だけでなく、新藤兼人監督の遺作『一枚のハガキ』、今年12月に生誕100周年を迎える木下惠介監督の代表作のひとつ『カルメン故郷に帰る』(デジタル・リマスター版)など巨匠の作品にもフォーカスし、巨匠による遺産を継承する日本映画の“現在”という一面も紹介します。また、「機動戦士ガンダム」などで知られる日本を代表するアニメーション制作会社「サンライズ」の珠玉の短編集や新進のアニメーション作家たちの学生時代の傑作を集めた「ICAFから羽ばたいた作家たち」「タマグラアニメーションの軌跡」、文化庁が実施している人材育成プログラムで製作された作品を中心とした「ndjcビヨンド」など、本事業独自のプログラムを通して多層的な日本の映像文化を紹介します。
なお、作品の上映以外にも、12月2日には「映画から何を学ぶか」と題したシンポジウムを予定しています。

【開催概要】

事業名 : 平成24年度アジアにおける日本映画特集上映事業
行事名 : 映画とアニメーションの万華鏡
会 期 : 2012年11月29日(木)~12月3日(月)
会 場 : 映画の殿堂(釜山広域市海雲台区)
内 容 : 映画・アニメーション上映、シンポジウム

主 催 : 文化庁
共 催 : 財団法人映画の殿堂、一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル
後 援 : 韓国文化体育観光部、釜山広域市、在釜山日本国総領事館
協 力 : 韓国映画振興委員会、国際交流基金ソウル日本文化センター、日本アニメーション学会、
      日本アニメーション協会、一般社団法人日本映画製作者連盟、一般社団法人日本動画協会、
      公益財団法人ユニジャパン

【上映プログラム(全15プログラム)】

<実写作品>

  1. オープニング作品
    『鍵泥棒のメソッド』 内田 けんじ監督(2012年/128分)
  2. 『一枚のハガキ』 新藤 兼人監督(2011年/114分)
  3. 『Railways 〜愛を伝えられない大人たちへ〜』 蔵方 政俊監督(2011年/123分)
  4. 『SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』 入江 悠監督(2012年/110分)
  5. 『この空の花 ー長岡花火物語』 大林 宣彦監督(160分/2012年)
  6. 『桐島、部活やめるってよ』 吉田 大八監督(2012年/103分)
  7. <ndjcビヨンド> 122分
    『あかり』 谷本 佳織監督(2012年/27分)
    『嘘々実実』 藤澤 浩和監督(2012年/29分)
    『バルーンリレー』 藤村 享平監督(2012年/66分)
  8. 『カルメン故郷に帰る』 木下 惠介監督(1951年/86分/デジタル・リマスター版)

  9. <アニメーション作品>

  10. 『劇場版マクロスF 恋離飛翼~サヨナラノツバサ~』 河森 正治監督(2011年/115分)
  11. 『ギョ』 平尾 隆之監督(2011年/70分)
  12. 『ドットハック セカイの向こうに』 松山 洋監督(2012年/111分)
  13. <3DCGの到達点 珠玉のサンライズ特集> 91分
    『新SOS大東京探検隊』  高木 真司監督(2006年/40分)
    『コイ☆セント』 森田 修平監督(2010年/25分)
    『九十九』  森田 修平監督(2012年/14分)
    『火要鎮』  大友 克洋監督(2012年/13分)
  14. <鬼才の迷宮 黒坂圭太特集> 84分
    『みみず物語』 (1989年/15分)
    『春子の冒険』 (1991年/14分)
    『緑子/MIDORI-KO』 (2011年/55分)
  15. <ICAFから羽ばたいた作家たち>  69分
    『睡蓮の人』 村田 朋泰監督(2000年/16分)
    『男伊達』 森田 修平監督(2001年/1分)
    『自傷考』 深瀬 沙哉監督(2002年/7分)
    『新聞史』 田中 紫紋監督(2003年/7分)
    『百怪ノ行列 浅草キケン野郎~泣くな!恋の鉄砲玉~』 沼口 雅徳監督(2003年/3分03秒)
    『コタツネコ』 青木 純監督(2005年/1分20秒)
    『診察室』 大山 慶監督(2005年/9分)
    『おばあちゃんの作業部屋』  中田 彩郁監督(2005年/2分54秒)
    『かなしい朝ごはん』 一瀬 皓コ監督(2006年/2分28秒)
    『迷走赤ずきん』 pecoraped監督(2007年/5分43秒)
    『雲の人 雨の人』 上甲 トモヨシ監督(2007年/6分34秒)
    『春のしくみ』 和田 淳監督(2010年/4分)
    『フミコの告白』 石田 祐康監督(2009年/2分22秒)
  16. <タマグラアニメーションの軌跡>  88分
    『Jazz a go go -看護な一日』 山中 幸生監督(2000年/3分20秒)
    『摩訶不思議』 坂本 サク監督(2000年/11分)
    『ROBOTTING』 加藤 久仁生・クリハラ タカシ監督(2000年/4分10秒)
    『月夜の晩餐会』  坂井 治監督(2001年/2分)
    『てんとう虫のおとむらい』 近藤 聡乃監督(2006年/5分38秒)
    『NATUNAL』 森川 耕平監督(2003年/6分05秒)
    『FANTASTIC CELL』 水江 未来監督(2003年/6分50秒)
    『smallhouse』 西野宮 桂太監督(2004年/5分40秒)
    『鬼』 細川 晋監督(2004年/9分11秒)
    『東京タワーゲーム』 寒川 賢志監督(2004年/2分41秒)
    『ネコの人とウマの人』 永迫 志乃監督(2007年/3分05秒)
    『To Tomorrow From Tomorrow』 洞口 祐輔・大石 拓郎監督(2007年/13分29秒)
    『オーケストラ』 大川原 亮・小川 雄太郎・奥田 昌輝監督(2008年/6分40秒)
    『ようこそぼくです』  姫田 真武監督(2011年/9分)

【交流プログラム】

シンポジウム 「映画から何を学ぶか」
日 時 : 2012年12月2日(日) 16時10分~17時40分
内 容 : 映画から何を学ぶか? この問いかけの意味は二重にある。一つには、映画を楽しみながらそこに描かれた世界を知るということの意味である。とりわけその映画が外国映画であれば、その国の文化や歴史、社会、人々の暮らしぶりや考え方、あるいは流行といった、日常生活からは離れた世界のことを居ながらにして知覚することになる。これは映画発明期からの変わらぬ映画の魅力である。また、映画ファンにとってみれば、その中には、文化としての映画そのものも含まれるだろう。もう一つは、映画から映画を学ぶという意味である。過去の映画は単なる遺産ではない。未来の映画への架け橋となる生きた文化遺産である。映画の発展は“映画から何を学ぶか”にかかっていると言っても過言ではない。本シンポジウムでは、「映画とアニメーションの万華鏡」のプログラムを総括しつつ、印象に残った作品を切り口にして、韓国人から見た日本映画の“現在”を浮き彫りにするとともに、映画から学ぶ映画の魅力、日韓の映画の現況、教育を含めた課題、そして映画の未来について言及する。

パネラー : 北川れい子氏(「映画とアニメーションの万華鏡」作品検討委員、映画評論家)、
       吉田大八氏(『桐島、部活やめるってよ』監督)、
       キム・イソク氏(東義大学校映像情報大学映画学科教授、映画の殿堂講師)、
       パク・インホ氏(釜山インディペンデント映画協会委員、映画の殿堂講師)
司 会  :  佐伯知紀(文化庁主任芸術文化調査官、日本映画史研究者)

本件に関するお問い合わせ先 :
一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル(JAPIC)
Tel: 03-6670-5676 / Fax: 03-5466-0054
e-mail: japic@japic.jp
担当:池田・門脇