文化庁委託事業 平成27年度アジアにおける日本映画特集上映事業
ジャカルタで初開催
「新作満喫! 日本映画とアニメーション2015」お知らせ

2015年11月13日

一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル(JAPIC)は,文化庁の委託を受け,2015年11月26日から12月1日までの6日間,インドネシアのジャカルタで「新作満喫! 日本映画とアニメーション2015」(文化庁主催,在インドネシア日本国大使館/国際交流基金ジャカルタ日本文化センター共催)を開催いたします。本事業は,2004年より続く文化庁委託事業「アジアにおける日本映画特集上映事業」として実施され,インドネシアにおける日本文化への理解や親しみの深化を図るとともに,映画・アニメーションの分野における若手を中心とした人材交流,人材育成を目的とします。
通算12回目となる本年度は,長編11作品,短編19作品,合計30作品を13プログラムで構成し,新作を中心とした多彩なプログラムによって,ジャカルタにおいてはかつてない規模で日本の映画とアニメーションの現在を紹介いたします。
オープニング作品は,人間同士の崇高な絆を描いた時代劇『蜩ノ記』に決まりました。本作品は日本アカデミー賞をはじめ数々の映画賞に輝いた2014年を代表する日本映画です。
一般プログラムでも,ジャカルタ未公開の日本映画の最新作,近年の内外の映画祭等で高く評価された作品,注目作,異色作をラインナップしています。実写プログラムでは,本年のベルリン国際映画祭で最優秀女優賞を受賞した『小さいおうち』から,高校生活をリアルに活写した『桐島、部活やめるってよ』,国語辞典の編纂をユーモラスに描いた『舟を編む』,ジャパニーズ・ホラーの近年の代表作『クロユリ団地』,北海道を舞台にしたヒューマン・ドラマ『愛を積むひと』,期待の新鋭監督が社会問題に挑んだ『きみはいい子』まで,名匠,中堅,新人監督による6作品を上映いたします。アニメーション・プログラムでは,日本最古の物語に隠された真実に迫る圧巻の絵巻『かぐや姫の物語』,第二次世界大戦終戦直後のソ連軍による北方四島進駐を題材にした感動作『ジョバンニの島』,女子高生の恋愛や友情をみずみずしく描いた『たまこラブストーリー』,迫力ある壮大なエヴァ・ワールドが展開する『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』の長編4作品に加え,強烈なオリジナリティに溢れ,手法も楽しさもヴァリエーションに富んだ「短編アニメーション・セレクション」を上映いたします。
また,作品の上映のほか,交流プログラムとして,11月29日には「ビヨンド・アニメ」と題して,日本とインドネシアのアニメーション作家によるフォーラムをハローモ―ション・アカデミーの協力の下に実施いたします。

【開催概要】
事業名:平成27年度アジアにおける日本映画特集上映事業
行事名:新作満喫! 日本映画とアニメーション2015
会期:2015年11月26日(木)~12月1日(火)
会場:CGVブリッツ・グランド・インドネシア
内容:映画・アニメーション上映,フォーラム

主催:文化庁
共催:在インドネシア日本国大使館,国際交流基金ジャカルタ日本文化センター,一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル
後援:ジャカルタ首都特別州
開催パートナー:CGVブリッツ
協力:インドネシア日本友好協会,ハローモ―ション・アカデミー,ジャカルタ・ジャパン・クラブ,日本アニメーション協会,一般社団法人日本映画製作者連盟,一般社団法人日本動画協会,公益財団法人ユニジャパン

【上映プログラム(全13プログラム)】
<実写作品>
1. 開幕上映作品
『蜩ノ記』(小泉堯史監督/2014/129分)
2. 『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八監督/2012/103分)
3. 『舟を編む』(石井裕也監督/2013/133分)
4. 『クロユリ団地』(中田秀夫監督/2013/106分)
5. 『小さいおうち』(山田洋次監督/2014/136分)
6. 『愛を積むひと』(朝原雄三監督/2015/125分)
7. 『きみはいい子』(呉美保監督/2015/121分)

<アニメーション作品>
1. 『かぐや姫の物語』(高畑勲監督/2013/137分)
2. 『ジョバンニの島』(西久保瑞穂監督/2014/102分)
3. 『たまこラブストーリー』(山田尚子監督/2014/83分)
4. 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』(庵野秀明監督/2012/95分)
5. 「短編アニメーションセレクション1 ~アバンギャルド~」(12作品)
『おにしめおたべ』(今林由佳/2013/3分45秒)
『パモン』(当真一茂/2014/9分45秒)
『その家の名前』(坂上直/2015/4分31秒)
『Waiter』(山田遼志/2013/9分)
『境界線』(中田彩郁/2014/2分26秒)
『Poker』(水江未来、中内友紀恵/2014/3分27秒)
『就活狂想曲』(吉田まほ/2012/7分28秒)
『夜ごはんの時刻』(村本咲/2014/8分28秒)
『さとうのちひろ』(さとうちひろ/2014/5分)
『息ができない』(木畠彩矢香/2015/6分)
『HEART』(AC部/2011/6分15秒)
『ようこそぼくです選』(姫田真武/2013/15分)
6. 「短編アニメーションセレクション2 ~ドラマ~」(7作品)
『Decorations』(宮澤真理/2014/7分28秒)
『かたすみの鱗』(石谷恵/2014/8分58秒)
『きつね憑き』(佐藤美代/2015/7分38秒)
『夕化粧』(胡嫄嫄/2015/10分)
『なまずは海に還る』(岩瀬夏緒里/2014/9分28秒)
『コップの中の子牛』(朱彦潼/2014/11分)
『ゴールデンタイム』(稲葉卓也/2013/23分)

【交流プログラム】
<フォーラム「ビヨンド・アニメ」 / ハローモーション・ギャザリング Vol.3>
日時:2015年11月29日(日)13:00〜15:30
会場:CGVブリッツ・グランド・インドネシア
入場料:無料(当日12:00から受付)
パネラー:
[インドネシア側]
アンディ・マーティン氏(Andi Martin/アニメーション作家)
ワフユー・アディティア氏(Wahyu Aditya/アニメーション作家/ハローモ―ション・アカデミー主宰)
[日本側]
水江未来氏(『Poker』監督)
中田彩郁氏(『境界線』監督)
松本絵美氏(『ゴールデンタイム』プロデューサー)
協力:ハローモ―ション・アカデミー
内容:インドネシアにおけるアニメーション作家の育成を行っているハローモ―ション・アカデミーの協力の下,日本のアニメーションの新しい表現について語り合います。日本のアニメ―ションは,大きな目,明るい髪色などが特徴というステレオタイプの認識がしばしば語られますが,このフォーラムでは,そうした固定概念を打破するユニークな形式や新しいテーマが探求されている日本のアニメーション動向を紹介いたします。日本側のパネリストは「短編アニメーション・セレクション」で上映する作品の監督,プロデューサー。上映とあわせてお楽しみください。

本件に関するお問い合わせ先 :
一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル(JAPIC)
Tel: 03-6670-5676 / Fax: 03-5466-0054
e-mail: japic@japic.jp
担当:池田・門脇

平成26年度アジアにおける日本映画特集上映事業終了報告

2014年11月13日(木)に開幕した文化庁主催「新風再び! 日本映画とアニメーション2014」(平成26年度アジアにおける日本映画特集上映事業)は6日間の会期を終え、11月18日(火)に終了しました。

昨年度に続き、ベトナムの経済、文化の中心地であるホーチミン市での開催となった今回は、『舟を編む』をはじめとする日本映画、アニメーションの長短編作品35本を14プログラムで上映しました。入場者数は3,942人、客席占有率は昨年度の90.6%を上回る93.2%で、昨年度に続き、日本映画への高い関心を窺わせる結果となりました。

開幕式には女優のホン・アイン氏や女性監督のヴィエト・リン監督、アクション大作が公開中のクオン・ゴー監督など、ベトナムの映画関係者も多数来場し、開幕上映『舟を編む』を鑑賞。日本側ゲストと交歓しました。

日本から参加したゲストは池田史嗣氏(『舟を編む』プロデューサー)、西川美和氏(『ディア・ドクター』監督)、大森立嗣氏(『まほろ駅前多田便利軒』監督)、稲葉卓也氏(『ゴールデン・タイム』、『KURO』監督)、姫田真武氏(『ようこそぼくです』、『ようこそぼくです選』監督)、鋤柄真希子氏、松村康平氏(『やまなし』、『WHILE THE CROW WEEPS —カラスの涙—』監督)の7名で、舞台挨拶や質疑応答などを通じてベトナムの観客と交流しました。他に作品検討委員の勝田友巳氏(毎日新聞学芸部記者)、小出正志氏(東京造形大学教授)、渡辺祥子氏(映画評論家)も来場し、観客に対して作品の見所などの解説を行ないました。

映画館での上映以外にもホーチミン市師範大学越日文化教育センターの協力で、「驚き盤」制作ワークショップを開催。日本語学部の学生を中心に約100名が参加し、アニメーション作家の鋤柄真希子氏の指導のもと、映画発明以前の視覚装置を自ら制作することで、楽しみながら映画の仕組みを学びました。

開幕式で観客の前に並んだ日越のゲスト。左から渡辺祥子氏、ゴー・ロアン氏(プロデューサー)、ホン・アイン氏(俳優)、小出正志氏、ヴィエト・リン氏(監督)、姫田真武氏、池田史嗣氏、クオン・ゴー氏(監督)、大森立嗣氏、西川美和氏。(11月13日)

『舟を編む』上映での質疑応答、左から池田史嗣プロデューサー、ひとりおいて勝田友巳氏。(11月14日)

『ディア・ドクター』西川美和監督の質疑応答。司会は佐伯知紀文化庁主任芸術文化調査官。(11月14日)

『まほろ駅前多田便利軒』大森立嗣監督(左)の質疑応答。(11月15日)

「日本の新進アニメーション作家たち2」の質疑応答。左から姫田真武監督、稲葉卓也監督。(11月14日)

「日本の新進アニメーション作家たち2」の質疑応答。左から松村康平監督、鋤柄真希子監督。(11月16日)

「驚き盤」制作ワークショップの参加者。

「驚き盤」制作ワークショップ制作風景(11月17日)

チケット発券日(11月9日)にできた行列。

文化庁委託事業 平成26年度アジアにおける日本映画特集上映事業
昨年に引き続き、ベトナム・ホーチミン市で開催
「新風再び! 日本映画とアニメーション2014」のお知らせ

2014年10月30日

一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル(JAPIC)は、文化庁の委託を受け、2014年11月13日から11月18日までの6日間、昨年度に引き続き、ベトナムのホーチミン市で「新風再び! 日本映画とアニメーション2014」(文化庁主催、在ホーチミン日本国総領事館共催)を開催いたします。この事業は、2004年より続く文化庁委託事業「アジアにおける日本映画特集上映事業」として実施され、ベトナムにおける日本文化への理解や親しみの深化を図るとともに、映画・アニメーションの分野における若手を中心とした人材交流、人材育成を目的とします。
ホーチミン市で初めての開催となった昨年度は、観客総数4,130人、平均座席占有率90.6%を記録し、ほとんど日本映画が公開されていないベトナムにおいて、日本映画に対する市民の潜在的関心度の高さを窺い知ることができました。通算11回目となる本年度は、そうした昨年度の反響を受け、再びホーチミン市で開催いたします。長編11作品、短編24作品、合計35作品を14プログラムで構成し、新作を中心とした多彩なプログラムによって、日本の映画とアニメーションの現在を紹介いたします。
開幕上映作品は、日本語の辞書作りをユーモラスに描き、昨年度、数々の映画賞を受賞した『舟を編む』に決まりました。
一般プログラムでは、日本映画の最新作、近年の内外の映画祭等で高く評価された作品、注目作、異色作から選定しました。実写作品は、『ディア・ドクター』、『桐島、部活やめるってよ』、『銀の匙Silver Spoon』、『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』など、僻地医療、高校生活、酪農、林業など日本社会のさまざまな側面に焦点を当てた作品、人気実力派俳優によるバディムービー『まほろ駅前多田便利軒』、見所満載の歴史時代劇巨編『のぼうの城』、巧みに練られたサスペンスコメディの快作『鍵泥棒のメソッド』の7作品。アニメーション作品は、妖怪たちとの奇妙な交流が織りなす少女の成長譚『ももへの手紙』(昨年に続けて上映)、不思議な幻想的世界観を展開する『サカサマのパテマ』、女子高生の恋愛や友情をみずみずしく描いた『たまこラブストーリー』などの長編に加え、4作品からなる珠玉のオムニバス「SHORT PEACE」、文化庁メディア芸術祭受賞作など20作品で構成した「日本の新進アニメーション作家たちⅠ&Ⅱ」の短編集を上映いたします。
なお、作品の上映のほか、交流プログラムとして、11月17日にアニメーション作家、鋤柄真希子氏による「驚き盤制作ワークショップ」を主にホーチミン市師範大学の日本語学部生を対象に実施いたします。

【開催概要】

事業名:平成26年度アジアにおける日本映画特集上映事業
行事名:新風再び! 日本映画とアニメーション2014
会 期:2014年11月13日(木)~11月18日(火)
会 場:BHDスターシネプレックスICON68(ホーチミン市1区ビテクスコ・フィナンシャルタワー3階&4階)
内 容:映画・アニメーション上映、ワークショップ

主 催:文化庁
共 催:在ホーチミン日本国総領事館、一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル
後 援:ホーチミン市各国友好協会連合、ホーチミン市越日友好協会
開催パートナー:BHDスターシネプレックスICON68
協 力:ホーチミン市師範大学 越日文化教育センター、日本アニメーション協会、一般社団法人日本映画製作者連盟、一般社団法人日本動画協会、公益財団法人ユニジャパン

【上映プログラム】(全14プログラム)

<実写作品>
1. 開幕上映作品
『舟を編む』(石井裕也監督/2013/133分)
2. 『ディア・ドクター』(西川美和監督/2009/127分)
3. 『まほろ駅前多田便利軒』(大森立嗣監督/2011/123分)
4. 『桐島、部活やめるってよ』(吉田大八監督/2012/103分)
5. 『鍵泥棒のメソッド』(内田けんじ監督/2012/128分)
6. 『のぼうの城』(犬童一心監督、樋口真嗣監督/2012/144分)
7. 『銀の匙Silver Spoon』(吉田恵輔監督/2014/111分)
8. 『WOOD JOB!〜神去なあなあ日常〜』(矢口史靖監督/2014/116分)

<アニメーション作品>
1. 「SHORT PEACE」
『九十九』(森田修平監督/2012/14分)
『火要鎮』(大友克洋監督/2012/13分)
『GAMBO』(安藤裕章監督/2012/13分)
『武器よさらば』(カトキハジメ監督/2013/26分)
2. 『ももへの手紙』(沖浦啓之監督/2012/120分)
3. 『サカサマのパテマ』(吉浦康裕監督/2013/99分)
4. 『たまこラブストーリー』(山田尚子監督/2014/83分)
5. 「日本の新進アニメーション作家たちⅠ」
『かっぽ』(水尻自子/2006/5分)
『布団』(水尻自子/2012/6分)
『かまくら』(水尻自子/2013/5分)
『赤い靴』(植草航/2006/3分)
『うさぎがいいのに』(植草航/2007/1分)
『向ヶ丘千里はただ見つめていたのだった』(植草航/2009/5分)
『やさしいマーチ』(植草航/2011/5分)
『カラスは真っ白「fake!fake!」』(植草航/2014/3分)
『フミコの告白』(石田祐康/2009/2分)
『rain town』(石田祐康/2011/10分)
『陽なたのアオシグレ』(石田祐康/2013/18分)
『ポレットのイス』(石田祐康/2014/4分)
6. 「日本の新進アニメーション作家たちⅡ」
『KURO』(稲葉卓也/2010/7分)
『ゴールデンタイム』(稲葉卓也/2013/23分)
『初期化される少女』(久野遥子/2012/1分)
『Airy Me』(久野遥子/2013/6分)
『やまなし』(鋤柄真希子、松村康平/2011/9分)
『WHILE THE CROW WEEPS -カラスの涙-』(鋤柄真希子、松村康平/2013/8分)
『ようこそぼくです』(姫田真武/2011/9分)
『ようこそぼくです選』(姫田真武/2013/12分)

【交流プログラム】

<ワークショップ 「驚き盤制作ワークショップ」>
日時:2014年11月17日(月) 14:00~17:00
会場:ホーチミン市師範大学 Dホール(ホーチミン市5区)
講師:鋤柄真希子氏(アニメーション作家/「日本の新進アニメーション作家たちⅡ」で上映作品あり)
協力:小出正志氏(アニメーション研究者/東京造形大学教授)
内容:
映画前史に登場する視覚装置の一種、「フェナキスティスコープ(驚き盤)」を制作することで、映画の動く仕組みを理解する映像体験ワークショップ。この装置を「驚き盤」と呼ぶのは日本独自との見方もあり、日本ではアニメーション作家の古川タク氏が、1974年に『驚き盤』という作品を発表し、アヌシー国際アニメーション映画祭で審査員特別賞を受賞したことから、映像関係者の間にこの呼称が広まった。

本件に関するお問い合わせ先:
一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル(JAPIC)
Tel: 03-6670-5676 / Fax: 03-5466-0054
e-mail: japic@japic.jp
担当:池田・門脇