平成22年度海外メディア芸術クリエイター招へい事業 「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2010-2011」 招へい者3名決定のお知らせ

9月10日に募集を〆切いたしました「アニメーション・アーティスト・イン・レジデンス東京2010-2011」の招へい者3名が決定いたしましたので、お知らせします。
本事業は、メディア芸術の振興に向けた取り組みの充実を図るため、海外の優れたクリエイターを招へいし、メディア芸術における国際交流を推進するとともに、交流機会を通じた国内クリエイターの育成を促し、もって我が国のメディア芸術水準の向上と発展に資する、海外メディア芸術クリエイター招へい事業として文化庁が実施するもので、一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシルが本事業を受託して運営しています。

1.海外メディア芸術クリエイター招へい事業概要
我が国のメディア芸術を推進する団体等が海外から優れたクリエイターを招へいし、当該クリエイターが我が国に滞在して研修、ワークショップ、創作、展示を行うもので、この事業により、メディア芸術における国際交流を推進するとともに、交流機会を通じた国内クリエイターの育成を図る。

2.アニメーション分野におけるクリエイター招へい事業
①事業概要
世界から若手(満20歳以上35歳以下)の優秀なアニメーションのクリエイターを3名東京に招へいし、日本のアニメーション文化に触れながら、作品を制作する機会を提供する。優れた作品の成果を促すとともに、メディア芸術における国際交流の推進を図ることを目的とする。
②招へい期間
2011年1月から3月の間の75日間

招へい者(敬称略・アルファベット順)
チェン・シー Chen Xi 中国 男性/33歳
クリストフ・ゴートリー Christophe Gautry フランス 男性/34歳
ジョゼフ・ピアス Joseph Pierce イギリス 男性/28歳

※詳細については、一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシルあてにお問いせください。

<問い合わせ先>
一般社団法人ジャパン・イメージ・カウンシル 事務局長 池田
電話:03-6670-5676 FAX:03-5466-0054 ホームページ http://japic.jp/

招へい者プロフィール

チェン・シー Chen Xi (男性/中国)
1977年生まれ。2010年北京電影学院修士課程卒業。テレビのアニメーション番組のディレクターを務めた経験もある。現在はフリーのディレクターとして活動。これまで多くの作品が中国の様々な雑誌に掲載された。2008年に制作した『冬至』で、2010年広島国際アニメーションフェスティバル国際審査員特別賞を受賞。
http://blog.sina.com.cn/congrongzhai
フィルモグラフィー:
2009 “A Clockwork Cock”
2008 『冬至』 広島国際アニメーションフェスティバル国際審査員賞
2008 “West Lake Fish” 中国国際カートゥーン&アニメーション映画祭モンキー・キング賞
2007 “The Emerald Jar” 中国国際アニメーション&デジタルアート映画祭審査員特別賞
2006 “The Lost Yard/Le Jardin Perdu”
2004 “Killing The Long Race Champion”

日本滞在中の制作企画内容:
作品のタイトルは”Grain Coupon”(穀物配給切符)。中国の伝統的な切り絵のアニメーションをフラッシュで制作する。主に1960年代の中国を舞台に、年老いた民間の調停人とその妻、兵隊と、何枚かの穀物配給切符を巡る物語。


クリストフ・ゴートリー Christophe Gautry (男性/フランス)
1976年生まれ。コンピュータ・エンジニアとして働いた後、フランス、アングレームのエコール・デ・メティエ・デュ・シネマ・ダニマシオンで脚本を、そして著名な「ラ・プドゥリエール」で演出を学ぶ。フランスの代表的なアニメーション・スタジオ、フォリマージュでいくつかの短編映画を監督。2008年に制作したストップモーションのパペットアニメーション “La Vita Nuova”は、ベルギーのアニメーション映画祭アニマでフランス語圏作品グランプリを受賞。
www.gautry.org
フィルモグラフィー:
2010 “An interrupted show” 制作中
2010 “The Ogre”
2009 “The Lunatic council”
2008 “La Vita Nuova” アニマ・フランス語圏グランプリ
2005 “Onchocerose”

日本滞在中の制作企画内容:
現代社会では、ときにシステムが人を無造作に地面に縛りつける。この押しつぶされた人々が伝染病のように広がっていくとき、街は違うアングルから姿を現し、再発見され、再構築される空間となる。東京の街の風景を背景に、ピクシレーションを使って制作する。


ジョゼフ・ピアスJoseph Pierce (男性/イギリス)
1982年生まれ。2008年にイギリスのナショナル・フィルム&テレビジョンスクールを卒業し、雑誌「スクリーン・インターナショナル」の「スター・オブ・トゥモロウ」の一人に選ばれる。アトランタレコード、BBC、ロイヤル・オペラ・ハウスなどをはじめ多くのクライアントを持ち、舞台、音楽プロモーションビデオ、アニメーションアートやコメディなど幅広い作品を手がける。現在、BBCフィルム制作の劇映画の脚本を共同執筆する傍ら、初のアニメーション長編映画を準備中。『ファミリー・ポートレイト』が2010年広島国際アニメーションフェスティバルでデビュー賞受賞。
www.josephpierce.co.uk
フィルモグラフィー:
2010 “Terminus” (制作中)
2010 “Thumper”
2009 “A Family Portrait” クレルモン=フェラン国際短編映画祭プレス賞、広島国際アニメーションフェスティバル・デビュー賞
2008 “Stand Up” ポワティエ・アンリ・ラングロワ映画祭グランプリ
2007 “State of Nature”
2007 “Big On Love”

日本滞在中の制作企画内容:
鉛筆とインク、ペンのスクラッチを使い、ロンドンの騒がしいバーを行き来する風変わりな人々たちをグロテスクに誇張された動物的キャラクターにして見せる。これは、ロンドンに関する映画だが、都会文化と国民的アイデンティティの暗部を普遍的な視点で描く作品でもある。